
COLUMN
秩父夜祭・屋台囃子関連コラム
Vol.0004(秩父屋台囃子の魅力徹底解説)
秩父屋台囃子をこよなく愛するわたくしザキヤマが、秩父屋台囃子の魅力を徹底的に解説します。
お囃子の最高傑作
秩父屋台囃子は「京都の祇園」「飛騨の高山」と並んで日本三大曳山祭りにあげられ、毎年12月2日・3日に行われる「秩父夜祭」において曳き回される山車の下層部で演奏されるお囃子です。
現代のような形式で演奏されるようになったのは、比較的最近で昭和30年ごろからと言われています。
それまでは秩父屋台囃子の代名詞と言われる「テケテッケ」の4連符の“地”ではなく、単なる8分音符もしくはシャッフルビートだったようで、主旋律の長胴太鼓が合わせずらく演奏がばらばらになりがちだったそうです。
また玉入れがなかったり、各町会で演奏がバラバラだったりしたそうで、今よりも粗削りだったようです。
そこから数多くの屋台囃子に携わる人たちが試行錯誤とブラッシュアップを重ね、今の洗練された「秩父屋台囃子」に昇華していったわけです。
非常に音楽性の高いお囃子として定評があり、なかでも秩父屋台囃子の特徴として「テケテッケ」の4連符の“地”から生まれるノリ・グルーブは、秩父夜祭の絢爛豪華な山車や花火と相まって、人々の心を魅了しています。
リズムが独特(テケテッケ)
秩父屋台囃子の最大の特徴は「テケテッケ」という独特な4連符の“地”になります。
これが秩父屋台囃子の独特のノリ・グルーヴにつながります。
また拍頭を把握するのに役立つので、長胴太鼓が叩きやすく笛も鉦も合わせやすく全体の演奏がバッチリと合いやすいのです。
この「テケテッケ」は簡単そうに見えて、同じテンポで毎回同じように打ち続けられるようになるまでには、1年はかかると言われています。
しかし、この「テケテッケ」が無意識で打てるようになると、没頭状態・ゾーンに入ったような状態、フロー状態に入れます。
要はめちゃくちゃ気持ちいいのです。
ぜひ皆さんにもこの感覚を味わってほしいのです。
スピーディでダイナミック、迫力があるので人々を魅了する
多くの和太鼓ファンは、やはりダイナミックに打つ姿に魅了されるのではないでしょうか?
お囃子によっては、テンポがスローでおとなしめの演目も多いです。
もちろんそれにはそれの趣があり魅力もありますが、やはり和太鼓好きには荒々しく思いっきり太鼓を打ちたいという人の方が多いですよね。
秩父屋台囃子はテンポも速く、大きな音を思いっきり鳴らしていただける、迫力のある荒々しい演目です。
ストレス解消にもってこい、あと単純にカッコいいですよね。お祭りに参加される人もノリノリになるってものです。
本場の屋台囃子や「見せる」ではなく「聞かせる」ことで魅了する
この屋台囃子は発祥の本場秩父で演奏される「秩父屋台囃子」のほか、日本各地の和太鼓チームで演奏される派生バージョンの「屋台囃子」がさまざま存在しております。
それらは似て非なるものです。
どちらが優れているというわけではありませんが、本場の秩父屋台囃子は山車の中で演奏する「聞かせる」ことに特化しているお囃子です。
裸の筋骨隆々の打ち手が立って演奏する「魅せる」屋台囃子とは違うのです。
ちなみに当方で練習する屋台囃子は「聞かせる」方の本場の“秩父屋台囃子”です。
秩父屋台囃子は即興性が高く縛りは少ない
秩父屋台囃子以外のお囃子もいくつか携わっていて、比較してみると他のお囃子は決め事が多く、メロディやリズムが厳密に決められているのと比べ、秩父屋台囃子は最低限の決め事はありますが、かなり自由度が高いです。
なんとなくジャズセッションに通じるところがあります。
要は即興演奏が多いのです。
お決まりのフレーズはちょこちょこあるものの、数は多くなく、基本はそれらを自分のタイミングで組み合わせる即興演奏になります。
即興の方が難しくて嫌だと感じる人もいるかもしれませんが、じぶんはこの即興性が秩父屋台囃子の最大の魅力だと思っています。
秩父屋台囃子は奥が深いので、カッコ良く叩けるようになるには多くの練習を必要としますが、決め事が少ないので覚えること自体はそこまで多くありません。
秩父屋台囃子は決まったフレーズが多くなく誰でも覚えやすくすぐに演奏に参加できる
お囃子を普及させ、多くの人が楽しむために、お囃子が難しすぎるのはあまり良い事ではないと思います。
秩父屋台囃子は、覚えることがそこまで多くなく、誰でも簡単なパートで演奏に加わることができます。
もちろんカッコ良く演奏できるようになるには、多くの練習時間が必要になるのですが、初めての人でも少ない時間で演奏に加わることができる敷居の低い演目なのです。
秩父だけでなく全国の太鼓打ちが演奏しているオープンな演目
秩父屋台囃子は、その完成された音楽性により多くの人の心を魅了しています。
多くの和太鼓チームが、この演目を演奏しています。
秩父だけの財産というわけではなく、日本の全体の芸能の宝と呼べるかもしれません。
本場秩父の方たちも、自らのものだとひとり占めせず、多くの太鼓チームや郷土芸能団体が演奏することを快く後押ししてくれています。
そして秩父だけの「秩父屋台囃子」は、日本そして世界中の人の心を打つ「屋台囃子」としてさまざまな派生バージョンが演奏されているのです。
没頭することで日々の悩みがスカッとふっとぶ
この練習会はまだほとんどメンバーがおらず、発起人である私がひとりで練習することも少なくありませんが・・・じぶんはそれでも腐ることなく喜んで練習しています。
“地”の「テケテッケ」を没頭して打っているだけで、時間を忘れて没頭でき、いわゆるゾーン、フロー状態に入り、とても気持ちのいい時間を過ごせるのです。
日ごろのストレスなど簡単に吹っ飛びます。
人に必要なのは没頭できる時間なのです。そして没頭できることは決して多くありません。
秩父屋台囃子は没頭できる貴重なテーマなのです。
秩父に縁もゆかりも無い人にもやってほしい・・・魅力が詰まった秩父屋台囃子
秩父屋台囃子は、とても完成された魅力的な郷土芸能ではありますが、青森のねぶた祭やよさこい祭り、土佐の阿波踊り、沖縄のエイサーに比べれば知名度は落ちるかなと思います。
じぶんはそれらの郷土芸能に勝るとも劣らない秩父屋台囃子を、おもに東京で普及させるために活動してまいります。
興味のある人はぜひご連絡ください。一緒に熱い秩父屋台囃子をやりましょう!!